年下がダメな理由
都内某所。華やかな室内。

<カンパーイ>

一斉にグラスを傾けた。ワインとシャンパンの香りが漂っている。
ライトの向きによって、グラスがキラキラして光って見える。

歓談がはじまった。

私は高谷部長とあいさつまわり。

まずは・・・お得意様に。


ここの、チーフ。近藤さん。
とっても気さくで良い人だ。
小柄だが、礼儀正しくしっかりしている。
残念ながら、結婚済。

「すみません。オーナーがちょっと席外してまして・・・。」

本当にすまなそうな表情だ。右手を頭の後ろにして困っている。

『いやいや。近藤さんに、ご挨拶させて頂けるだけでも結構です。お気遣いなさらずに・・・。今後の事なんですけどね・・・・・・・・・・・。』


高谷部長は、今後の詳しい話をしてる。
せっかく仕事をもらったので、他にもあったら頂きたいところだ。
今回は、雑誌に大きく掲載した。

ここは、グループ会社の為、あばよくば他のお店の広告も、うちで企画したいところ。
でも、欲張っちゃいけませんけど・・・。


飲食会社のお偉いさんを、近藤さんにご紹介頂き。

名刺交換。

挨拶。挨拶。挨拶。

色々なテーブルを、ウロウロ。

笑顔。ニコニコ。

笑顔。ニコニコ。

笑顔。ニコニコ。

この繰り返し。

いい加減疲れるけど・・・。
弱音は、吐けないし・・・。
まだまだ、終わりそうにないし・・・。


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