年下がダメな理由
久しぶりの3人の食事。
・・・落ち着く。

そういえば・・・。
いままで、家族と一緒に食事した記憶がないかもしれない・・・。
両親は、私が幼い頃からずっと、仕事に明け暮れていたし。

物心ついたときには、一人で食事をすることが当たり前だった。

俗に言う。鍵っ子。

でも・・・

ホントは・・・。

すっごく、寂しかった・・・。
一緒に食事がしたかった・・・。
学校の話を聞いてほしかった・・・。

家族の温かさが羨ましかった。
自分も、感じてみたかった・・・。

でも・・・。
叶わなかった。

一人の時間が苦痛だなんて・・・。
言えなかった・・・。
いい子でいる為に・・・。
両親の為・・・。

それから。
両親は、19歳の時に、事故で亡くなって、それっきり・・・。
今は、母方の祖父と、連絡を取るくらいだ。


・・・・・。

ちょっと、思い出してしまった。

昔の話・・・。
だからと言って、両親を恨んではいない。
両親の大変さも、今なら理解出来る。

今の私には、この二人が家族のようなもの。

だから。

今は、なんだかとっても、楽しい。
二人の横顔を見つめながら、ボーっとそんなことを考えていた。

「なにしてんの?葉子の番ですけど。」

潤也が顔を覗き込んできた。

そうでした。
私の番。
今、食事を終えて、トランプ真っ只中。

ババ抜き。

『え?あ、はいはい・・・。』

私、潤也のカードを引いた。
・・・。
満面の笑みの潤也。
勝ち誇っている。

ムッカツク!

まただよ。
どんだけ、自分ババ好きなのかしら・・・。

案の定・・・。
ババを引いた私。

・・・。

だから、ババ抜きってキライなのよね。
今度は、カルロに向き直ってカードを拡げた。
カルロは、腕を組んで考え込んでいる。
・・・・・。

相変わらず。
室内には、笑い声が響いている。

きっと・・・。

楽しく毎日を過ごせることは、幸せだなぁ。
って、つくづく思った。

大切な親友?
私の、大切な家族だ。















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