年下がダメな理由
カルロが不意に、私の肩を抱き寄せた。

私もされるがまま・・・。
カルロの腕は、逞しい。
しかも、なんだかちょっぴり、いい香りがする。

こんな、いい男に肩をだかれるなんて
この年齢になると、早々ないもんね。
得した気分だよ。

『魅力的?ホントに?そうかなぁ?』

女性の喜ばせ方を知っている。
無論、私も有頂天。
バカですから・・・。

「もちろんさ。」


・・・・。

ちょっと、屈んだと思ったら・・・。

《チュ・・・。》

私の、ほっぺたにそっとキスをした。

ちょっと・・・。

照れるよ・・・。


『・・・ありがとう。なんか、ちょっと元気になった。』

やさしい気分になった。
心地よい風が、髪を撫でてくれる。


《・・・!》

そして、何か思い立ったように、目線をこちらに向けた。


「あのさちょっと疑問なんだけど・・・。潤也とはどうなわけ???この前・・・。」

それは・・・。

急に言われると弱い・・・。

何にも無かったのよ、何も・・・。

身振り手振りで・・・。
でも、シドロモドロになってるし・・・。
自分でも訳が分からない状況だよ・・・。

『何が?え?あれ?だからそれは・・・。』

ニヤニヤしているカルロ・・・。
あんたも・・・。
結構・・・意地悪だよね。

何想像しちゃってんのよ!

カルロが、何か思いついた。

「そうだ。良い考えが・・・。」

手のひらで、拳をポンっと叩いた。

「あと、一応言って置くけど、潤也はゲイじゃないからな。あれは、一緒に住むための口実ってやつ。安心してね。」

かわいく言っても今更無駄ですけど。

そう。
カルロいわく、一緒に住むことに安心感?を持ってもらう為の演出だったらしい。
『ってか、安心感ってより。不信感でしたけど。』


「そうだった?上手く騙せたと思ったんだけど。イタリアンジョークよ。」

高笑いのカルロを見て。私もつられて笑った。

・・・・・。

ちょっと、寂しいね。

一人減るのは・・・。









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