年下がダメな理由

5.結婚と現実

カップルのうちの男性が声を掛けてきた。

「潤也。久しぶりじゃん。元気だったか?お店の調子はどうだ?」

潤也より、ちょっと年齢は年上っぽい。偉そうにしている。
しかも、言葉より態度がデカくてムカツクわね。

「まあまあだよ。博隆は、ホテルの方はどうだ?」

そんな事を気に掛ける様子もなく、淡々と潤也が話しかけた。

「潤也ほどじゃないけど。がんばってますよ。」

あっ、この人・・・。

めちゃめちゃ、ライバル心剥き出しだよ。
喧嘩、吹っかけてる。

まったく、気分悪い。
キライだ。こういう人。

そっと。
隣の女性が、潤也に話し掛けた。

『潤君。元気そうでよかった。』

ほっとしたように微笑みかける女性・・・。

だれ?何者?

・・・・・。ってさ・・・。

気になってる自分が情けない・・・。

でも・・・。

どこかで、見たような・・・?

会った事のあるような・・・?

・・・。


潤也は満面の愛想笑いを浮かべて、彼女に話しかけた。

「遼子、久しぶり。」

『お隣は、彼女?』

私のほうに視線が集中した。
3人が一斉にこっちを見た。

え?
私に話振られたの?
どうしょ?
・・・。

とその時。
潤也の片手が伸びてきて私の手を掴んだ。

「そう。一緒に住んでるんだ。」

『そうなの?よかった。・・・・・。』

・・・・・・。

よかった。・・・?

ってどういうこと。
遼子って人と付き合ってたの?

・・・・・。

案の定・・・。
2人と別れてから、私の頭の中は混乱状態。

《よかった・・・。》

頭の中を、グルグルその言葉が回っている。

気になる・・・・。
いったい。

どういう?関係?




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