キヨツカ駅改札口にて
9の改札口
切符券売機の点検が入りました。
整備士の方が、それは丁寧に機械を点検していきます。
お客様もいなかったので、わたしはそれを興味深く眺めていました。
タッチパネルを何度か押して反応を確認したり、機械を開けて内側の整備をしたり。
小銭の受け取り口に至っては、耳掻きの綿の部分で丁寧に掃除をしていました。
「すごいですね」
「そうですか?」
感心しながらそう投げ掛けたわたしに、手を休めることなく整備士の方は言いました。
「プロですから、当たり前ですよ」
自分の仕事に誇りを持って、だからこそ、完璧であることを当たり前だと言えるその方に、わたしは少し、恥ずかしくなりました。
「…でもやっぱり、すごいと思います」
わたしも精進します。
それは、お客様のためだけでなく、わたし自身のためにも。