甘いあまい☆マーマレード

 ようやく離してくれた腕に今更ながら熱を感じる。
 惺先輩は、正面に立ち、キリッとした表情に変わった。

 な、何を話されるの?

 緊張と戸惑いで胸の鼓動が早なる。


 「柚朱ちゃん、二度も俺なんかに……ありがとう…柚朱ちゃんの気持ちに――」

 「抜け駆けっすか?」

 「ケン!? どうして此処に?」

 何処からどう現れたのか? ケンまでもが今傍にいる。

 一体、何があったの?


 「何処かの鬼コーチに鍛えられましたから」

 「ケンくんまで、どうしたの?」


 惺先輩とケンくんの二人の様子がいつに増して険しい

 「俺? 柚朱を奪いに来た」

 「えっ!?」


 どういう……こと?


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