甘いあまい☆マーマレード

 「ケンくん……あの…」


 ケンくんの笑顔が消えた。

 同じクラスにいるのに、久し振りにみる気がする。



 「俺は、お前の事からかったとかそんなんじゃない」

 「うん……私…」

 解っている。 ケンくんがこんな私にキチント向き合ってくれたこと


 「こんな所に来てる場合じゃねぇだろ?」

 「……」

 
 どうして、そんなにも心の奥が解るの?


 「行けよ」

 「……うん」


 でも、今直ぐ行ってしまったら、あなたが消え入りそうで


 「早く行かねぇと……俺…」

 「ケンくん……ありが…」


 最後まで言い終えないうちに抱き締められ、何も言えなくなってしまった。





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