甘いあまい☆マーマレード
大学生って、凄く大人な感じの人が多い。
行き交う人たち皆、お洒落で綺麗。
私たちの学校もそれほど校則に厳しいものでもないけど、……制服と私服って、こんなにも違うのね…?
「カズミちゃんと――」
「えっ!? もう私の名前覚えてくれたんですかぁ?」
自分の名前を口にされ舞い上がる一美
「うん、俺女の子の名前覚えるの得意だからね♪」
優しい眼差しで私に向き直った忍者さん……誰だっけ?
「えっとゴメンネ君の名前聞いていなかったね?」
「……柚朱です」
「あ、ユズちゃんね♪ 折角だし、サークル覗いていかない?」
「私たち部外者ですよ?」
なんて言いながらも好奇心旺盛の一美は目がクルクルしている。
「平気へいき♪ それに二人は夏木の知り合いでしょ?」
「えっと……」
― 彼女?
心の中で自分に問いかけた。
「それは、この娘だけ、私は彼女の保護者的なものですから(笑)」
「保護者って…(苦笑)まぁ、どうぞ 彼にも会えるしね」
保護者って私、幼稚園生じゃないよ?
案内された所は、教室とも違う大きな部屋。
この人、見かけよりも案外誠実な人なのかも?
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