甘いあまい☆マーマレード

 初めは俯きながら連れられて、さっきは景色も見ずに突っ走った廊下を

 今、惺さんと手を繋いでゆっくりと戻り、一つの扉を開ける。

 教室の中で一際輝いている一人の女性のところまで歩みよる。


 「五十嵐さん……ですよね?」

 「あ、さっきの……」


 貴女に嫉妬して、勝手に怒ったりして、ごめんなさい。

 そんな想いを込め、笑顔を作る。


 「筒井 柚朱です。誕生日おめでとうございます」
 「あ、ありがとう」


 目を細めて笑う彼女が凄くキレイで。

 純粋な笑顔

 少しでも二人を疑ったりした事が……凄く恥ずかしい。


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