甘いあまい☆マーマレード
「こんなに可愛い彼女がいるんじゃ振り向くわけないか」
何処か遠くを見つめるように五十嵐さんは、ポツリと呟いた。
「えっ!?」
「ごめんね、夏木くんいつも素っ気なかったからさ、振り向かせたかったのよねウフッ(笑)」
「……」
ウフッって……
こんなに茶目っ気に言われると何も言えないよ。
「五十嵐さん、柚朱をからかうのそのあたりでやめてもらっていいですかね?」
「あら、夏木くん帰ったんじゃないの?」
「……――」
いじられている惺さんが可愛かったからそのまま見ておきたかったけど、ちょっぴり可哀想だよね?
「私が連れてきたんです。誕生日は特別な日だからお祝いしなくちゃダメですよって言ったんです」
「あら、いい事いうじゃない。柚朱ちゃん大~好き☆」
えっ!?
五十嵐さんに抱きつかれた……というより飛びつかれたのかな?
柔らかくて大きなものが顔に当たって、刺激的なんですけど……?
彼女は、そんな事お構い無しといった感じ。
甘い大人の香りが鼻をくすぐる。
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