甘いあまい☆マーマレード

 「これ、……どうですか?」


 そう言いながら一枚の写真を差し出して来た。


 「この間の?」

 「はい、焼いてみたんです」

 「よく撮れているね」

 「惺さんにそう言ってもらえて嬉しいです♪」


 それは青空の中にヒコウキ雲が一本、赤い小さな丸のようなものが描かれている。


 「この丸いの何かな?」

 「さぁ……私にも」

 「もっと大きく伸ばしてみようっか?」

 「出来るんですか?」

 「このサークルに不可能な事はない!! ……なんて、部長の受け売り(苦笑)」
 「クスクス(笑) 惺さんはどんな写真撮ったんですか?」


 この写真見せられた後にとてもじゃないが見せられないよ。


 「俺、写真苦手だからね。……それより、この写真預かってもいいかな?」

 「あ、はい」

 「悪いようにはしないから安心して♪」


 彼女の写真が折れ曲がらないように学部ノートに挟み込む。


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