甘いあまい☆マーマレード

 ― 数日後


 部長の協力を得て、柚朱から預かった写真をB5版のパネルにしてもらった。

 あの赤い丸は浮かび上がった風船だった。


 「偶然だろうけど、すごいな!」

 「ですよね」

 「えっ!? これ、お前が撮ったんじゃないのか」

 「違いますよ、彼女の写真です」


 俺に絵心があったらサッカーなんてやっていませんよ。


 「なるほど。なぁ、この写真コンテストに借りるぞ、彼女に伝えておいてくれ」

 「えっ、いつですか?」

 そんなのあったっか!?


 「明日の締め切り」

 「じゃ、聞いてみます」
 「悪い、時間ないしこのパネルの裏に彼女のフルネーム書いてくれ」

 「知りませからね」


  キュキュキュキュ……
 『筒井 柚朱』っと。代筆サインを入れる。


 「サンキュ♪」


  あぁ~ぁっ、行っちゃった。

 なんて言やぁいいんだ?

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