甘いあまい☆マーマレード
「男なら、一年の中で一番嬉しいと言えば?」
「そんな日あったか?」
益々分からない。
俺が一番嬉しい日は、強豪チームと試合の出来る日だが。
「先輩には関係なかったっすかね?
バ・レ・ン・タ・イ・ン」
「そっか……」
そうか、そんな日があったな。
「部室におそらく山の様にあるんじゃないっすかぁ?」
「え~っ!?」
バレンタインって、まさか!?
俺が!?
あの世間で騒がれているイベントに便乗されたって事か?
「え~っ、じゃないですよ。
先輩は特定のファンからもらったみたいだし、後はみんなで山分けしますからね」
山分け?
あぁ、勝手にすればいいさ。
そんな事より
「……それじゃ
……これは……?」
答えがわかりきっているのに、マヌケな質問する俺って……。
「愛の告白~?」
「なぁ、ケンさっきの奴知ってるか?」
「さぁね」
「そっか……」
ケンは、俺の一言を耳にしたのか、しないのか、足早に部室へと向かった。
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