甘いあまい☆マーマレード

 その包みを彼女から受け取った。


 「すごいね、賞もらったんだ♪ 何の作品?」

 「開けてみてください」

 「いいの?」


 コクリ

 彼女は黙って頷く。


 「これ、この間の『空』の?」

 「言ってくれれば良かったのに……惺さんが出してくれたんですよね?」

 「いや、俺は……あっ!」


 そう言えば、伝えておいてって言われていたんだった。


 「どうしたんですか?」
 「忘れてた、部長だ。たまたま写真コンテストの日の〆切前に柚朱の写真見てな……――」


 あの日、伝えるつもりで携帯開いたら別の奴から電話があって――


 「そうだったんですか」
 「ごめんな、勝手な事して」


 それから、すっかり忘れていました。

 本当にごめんなさい。


 「いえ、嬉しいんです♪ 私こんな風に認めてもらえた事今までなくって(苦笑) ……ありがとうございました」

 「こちらこそ。じゃ着替えて来るから少し待ってて」


 あの時の部長の選択は正しかったってわけか。

 スゲェな

 認められるなんて。


 夢を手に掴む……先越されるのは、時間の問題だろうな?



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