甘いあまい☆マーマレード
漸く笑い治まったケンが口を開いた。
「先輩は筒井の事どう思ってんの?」
「筒井?
お前この前は知らないって……」
「あん時は、一瞬で見てなかったっすから。
でもさっき『ユズ』って言ってたじゃないっすか?
そんな名前、この学年には他にいないっすから」
「……」
「……で、どう思ってんすか?」
「……考えたこともなかった」
「じゃ、ちゃんと考えてくださいよ」
考えるって、俺はこの間食べちゃったからそのお礼を言いに行っただけだし、それに忘れてくださいって言われたんだぞ?
「わかった。
……その前に」
ケンは、ちゃんと聞いてくれたから、まぁ考えてみるか?
「その前に?」
「練習だ、グラウンド出るぞ」
「え~っ!?」
「ツベコベ言う奴グラウンド100週!」
俺の頭はサッカーモードに切り替わった。
今は、やるべき事をしないとな。
彼女の事考えるのは、その次の事だろう。