甘いあまい☆マーマレード

 これじゃ、予行練習じゃなく――

 「まさか、いきなり本番になるとはなぁ」


 俺は彼女の笑みに安心し、つい言葉にしてしまった。

 おっと、いけない。いけない。


 「……今何か言いかけなかった?」

 話題を変えなくちゃな


 「この間も、その前も先輩の話しもきかず飛び出してしまって……ごめんなさい!!」


 へっ!?

 こんな展開は想像すらしていなかった。


 「なんだ、そんな事か いいよ気にしてないから一緒に回ろう」


 なんてカッコつけてみたりして。

 本当は、俺が直ぐに返事をしなかったから嫌われたのでは?
 
 ずっと、そう思ってた。


 「いいんですか? ……私が……一緒に廻っても」

 「契約成立だね♪今日一日よろしくね」

 「はい」


 そっと差し出した手に繋いでくれた柔らかい手。

 良かった。

 ユズちゃん笑ってくれた。


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