甘いあまい☆マーマレード

 あっという間に時間は経ち、園内の人も疎らに。

 どうしよう……


 「疲れた?」

 もう、ここも閉まっちゃう


 「いえ……今日は楽しかったです」

 「俺も♪」

 伝えなきゃ……


 烏が頭上を飛んでいく。

 空を見上げると一美の声がそこにいるかのような錯覚に陥る。

 
 『柚朱~、ちゃんと伝えるんだよ?』

 うん

 『嫌だからね、アンタの幽霊化に付き合うの』

 だよね

 『応援してるからね』

 うん、頑張る

 
 昼間の温かさはすっかり無くなっているのに、手の中が汗ばむほど握り締めていた。


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