甘いあまい☆マーマレード
俺は、彼女の手を強く握り返す。
「少しだけ…時間くれないかな?」
女の子から二度も告白されて、“時間”はないかな?
「時……間?」
「うん、柚朱ちゃんの事まだよく知らないし、今直ぐは答えられない。だけど、ちゃんと考えて必ず返事する」
俺、キチンと向き合いたいんだ。分かってくれるかな?
「……わかりました。私……待ってますから」
彼女の言葉が胸に刺さる。
繋いでいる俺の力が弱まり、俺の手から離れた彼女は去って行った。
笑顔というより、無理に作っているような……
直ぐに返事出来なくてごめん。
必ず答えを見つけるから。
彼女の背中に向かって心の中で呟き、俺は、なんともいたたまれない気持ちで一人取り残された。
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