甘いあまい☆マーマレード

 「え~っ!? 
 それ、ありえなくない?」

 教室の窓から眺めていただけだったのが、手を繋げたんだよ?

 私には十分だよ。


 「そうかな?」


 私には進歩だと思うんだけど、一美さん、貴女ならその先の展開になりうるって事?


 「そうよ。まさか、また何も伝えないで終わったなんてないよね!?」


 腰を上げ、身を乗り出してきた。


 「……たよ。 私……逃げないでちゃんと伝えたよ」

 「偉い!!」


 腰を元の位置まで下ろし、何故か“イイコ、イイコ”されている。


 「……伝えたよ」


 頑張ったよ


 「うん」


 だけどね


 「先輩ね、少し時間をくれって」

 「えっ!?」

 頭上の手の動きが止まり、彼女の瞳はこれ以上開けないくらい大きくなった。

 そして、授業が始まるまで一美はずっと黙って聞いていた



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