甘いあまい☆マーマレード

 1時限目が終わり、実験室に向かいながら一美は言う。


 「でもさ、良かったじゃない」

 「何が?」

 「先輩。ちゃんと柚朱の事考えてくれるって言ってたんでしょ?」

 「……うん」


 確かに、ちゃんと考えるからとは言っていた。


 「元気だして♪」


 嫌いって言われたわけじゃないものね


 「そう……だよね(笑) ところで、次の実験って何やるんだっけ?」

 「試験前だから実験はないよ?……たしか」

 「じゃ、教室でいいような……?」

 頭の中がハテナマークに占領されています。


 「まぁまぁ、先生はあの教室が好きなんだから、仕方ないよ」


 言われてみたら、そんな記憶もチラチラと頭の中を泳ぎだした。


< 92 / 212 >

この作品をシェア

pagetop