甘いあまい☆マーマレード

 なんとなく世間話を語り合いながら教室を出る。

 ふと、話題が途切れ互いに前を向いたまま肩を並べて歩く。

 いつの間にか、校舎裏の駐輪場のあるところまで来ていた。


 「お前ん家何処?」

 「二丁目」

 「じゃ、送るよ。通り道だし」

 「大丈夫だよ」

 「いいから、いいから。それと、俺の事はケンでいいよ?」


 そう言った彼は、私が持っていたカバンをスッと自転車の籠に入れちゃった。


 「金……ケンくん、ありがとう」


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