竜の国Ⅱ
3
「でも俺に対しては
気にしなくていーぜ。
ユウミやわらかくって
気持ちいい♪」
レイヴァールに言われたら
拳が繰り出されそうなセリフも
フィゼルが言うと許せちゃうのは
なぜかしら?
「でもさ
なんであんなとこにいたんだ?」
力強くてあったかい腕の中ですっかり
和んでいたあたしの表情が一変する。
「バカ竜に落とされた。」
ぷく~っと膨らませたあたしの頬を
つんつんつつきながら
クスクス笑うフィゼル。
その優しい表情が
急に年相応の男の子に見えて
ちょっとドキッとしてしまった。