竜の国Ⅱ
6
フィゼルの顔には
悪戯っ子のような笑み。
「もしもの時のために黒の髪粉と
これもってきたんだ。」
日に焼けた大きな手には小さな袋と
大きめの帽子が二つ握られている。
これを深くかぶれば
目元まで隠せそうだ。
「予備があってちょうどよかったよ。
気の利く女官に感謝だな。」
フィゼルと顔を見合わせてに~んまり♪
なんか久々にわくわくしてきたぞ。
「そんじゃ早速準備して
探検にしゅっぱ~つ♪」
「おー♪」
立ち上がったあたしたちは
元気よく拳を振り上げた。