竜の国Ⅱ
6
ようやく立ち止まった彼の腕の中で
いま来た方角を振返る。
街が小さい。
うわ~・・
さっきまで街の中心部にいたのに。
「手荒なことしてゴメンな。
あんたとゆっくり話してみたくてさ。」
「もういいよ。
珍獣状態にうんざりしてたとこだったし。
あたしユウミ。あなたは?」
「俺はフィゼルだ。よろしくなユウミ。」
ん?どこかで聞いたことあるような・・
しっかしかわいい笑顔だなぁ。
身体は普通以上に立派なのに
笑顔は5歳児なみ。
ぎゅってしたくなっちゃう♪
ってかぎゅっとされてるのあたしじゃん。
お姫様だっこ状態のまま
普通に会話してたよ。
「重かったでしょ。
気が付かなくてごめんね。」