竜の国Ⅱ
7
「全然! ユウミは羽みたいに軽いぜ!」
んなわけないだろ。
先ほどとはうって変わった丁寧さで
地面に降ろしてくれるフィゼルに
心の中で突っ込んだ。
郊外の見晴らしのいい丘。
いい景色だが見つけてくださいと
言ってるようものなので
近くの小さな森に入る。
黒騎士を含めたくさんの人達が
黒銀の者が攫われるところを見ていた。
今ごろ大捜索してる気がする。
そろそろレイヴァールも騒ぎ出しそうだし。
しばらく隠れてよっと♪
ちょっとは心配すればいいのよ。
カワイイ仕返しを思いついたあたしは
上機嫌で適当な木の根元に腰を下ろした。
フィゼルもそれに続く。