藤色アイルランド

｢ふむ・・・。クーデターを起こす訳には行かぬ。ジェミニ・ロート・ブルーダー子爵、ジェミニ・ブラウ・ブルーダー子爵、貴公らに命じる。貴公らはジブリール重工本社へ向かいオートマトン及び違法に生産した全兵器を破壊せよ。｣
ジェミニ・ブラウ・ブルーダー、ジェミニ・ロート・ブルーダー、双子のヴァンパイア。互いに好戦的な性格で切込み体長格の双子だな。兄のブラウの方は比較的好戦的で弟のロートは比較的温和（互いを比べて）そしてこの双子はイナズマを自在に操る十二宮だ。今回の案件には適役だろうな。
｢それとリーオー・シャルル・シュヴァリエ公爵、貴公に命ずる。貴公は両子爵と共にジブリール本社へ赴き反乱分子を行ってもらう。｣
反乱分子？
｢お言葉にございますが陛下、これはブルーダー両子爵だけでも可能な案件なのでは・・・？｣
｢可能性としてジブリールには魔王が存在するのだよ。もし魔王がいては両子爵の任務に問題が出かねんからな。｣
｢なるほど、私は魔王が出たら魔王の討伐を行えと言うことにございますね？承知致しました陛下。｣
魔王と言えば堕ちた真祖、宰相ケフェウスになりすましていたオリンポスの間者も魔王だったな。だが魔王は真祖が盟約に背いたり吸血衝動に溺れ聖者の血を吸う、あるいは破壊衝動を抑制出来なくなり堕ちる。これらの条件をクリアしなければ魔王かはしないはずだ。しかし真祖は陛下と殿下しか今この地球におられぬが・・・。
だが数年前魔王が出現した時は件の間者と共に地球に潜伏していたらしい魔王だったが今回もそれか・・・？
｢その通りだ公爵。｣
―っ!私は口にしていない。陛下は私の心を読まれた!やはり陛下にウソも何も効かぬか・・・。