藤色アイルランド
カチッカチッ
アレ?
フェレナンドさんのエモノからはビームは出なかった。思いっきり引き金を引いたのに。
「あっ・・・こりゃあヤベェな。バッテリーロストだ。」
ハァ?バッテリーロスト?ちょっそれどーゆーことなん?
「俺のこのビームランチャーは鎧を装着してからの使用が前提で作られてんだ。だから鎧装着してないと予備バッテリーから電力供給して撃つんだよ。長期戦に備えて電力はいつもの半分で使ってたんだが、バッテリー切れだな。」
ちょっそれ全力で戦力外じゃん。
「ま、処女宮の権限は俺の代りに姉さんが行使中だから問題はないだろ。シャルル、これを承認してくれるか?」
「貴公が戦力外ならしょうがないだろう。よし、サンドリヨン嬢の十二宮代行の行使を承認しよう。」
って、代行とか他の十二宮から承認がいんの!?簡単に出来ないんだ・・・。
「少女よ、承認とかは形式的なものであって絶対必要とかそんなんじゃないんだ。」
そ、そーなんだ。って、ちるみも戦闘体制じゃない!何で!?目の前に魔王がいるんだよ?
「サラたち今いないし、星杯もお兄ちゃんから戦争以外は使っちゃダメって言われてるし。それに、サンドリヨンちゃんが戦闘体制に入ったらもう私の出る幕ないしね。だって大魔女や大魔法使いの序列じゃNo.Ⅰなんだよ?大魔女の序列No.Ⅱの私よりも遥かに上なんだから。私じゃどうしたって魔女としては勝てないよ。他は勝てるかもだけど。ちなみにNo.ⅢがヘンゼルさんでNo.IVがお母さんね。それとシャルルさんもいたら私ぐらいいなくても十分だし。」
そう言ってちるみはちょっと照れくさそうな顔でてへって笑った。そんな顔する必要があったのかな。
って・・・てことは先生って魔女じゃちるみより遥かに格上ってこと?たまにあと3年したらチルチルに追い越されそう言ってたけどそれでも今は先生とちるみの実力差は天と地ですか。
「サンドリヨン嬢、実戦はほぼ3年ぶり、相手はあの時と同じく魔王。ブランクを見せてくれるなよ?」
「ブランクあったって女帝は最強なんだからね♪帝国サッカーみたいにさ。」
銀河系最高の魔女とそれと同等の力を持つ騎士のタッグってそこまで強いんかい。
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