戦国遊戯
嵐の一夜
朝早くに起きて、支度をした。赤い甲冑をとりに行くと、さくらが待ち構えていた。
「おはよう、さくら」
「…やっぱりきましたね、若」
なにがやっぱりなのか、よくわからない、といった風に首をかしげると、はぁ、とさくらにため息をつかれた。
「お、おい…」
「若、昨夜総大将に言われたこと、覚えてらっしゃいます?」
「うん?あぁ、今日、上杉の屋敷に行くのだろう?」
何をいまさら、といった風に答えると、さくらはじとーっとした目でこっちを見てきた。
「さ・け・を!飲むんです。わかります?お酒です」
「あぁ、だが、それは建前で」
「建前だろうがなんだろうが、今回の目的は、あの女を連れ戻すことでしょう?今から闘います!って雰囲気前面に押し出して、敵地に乗り込む人なんていますか!?総大将がせっかくお膳立てしてくれたのをぶち壊すきですか!?」
さくらに言われて、うっと言葉に詰まり、がっくりとうなだれた。
「しかし、それでは、どのような格好をしていけば」
「普通の格好ですよ。出かけるときの。若だって、出かけるとき、いつも甲冑身に着けてるわけじゃないでしょう?」
さくらにあきれたように言われて、返す言葉もない。
「…落ち込むのは後です。もう、若を皆待っているんですから。着物はそこにだしてあります。それ、着ていってください」
額に手を当てて、はぁ、とため息をつかれる。思わずしゅん、となってしまった。
「あー、もう。さっさと着て、行ってください。あの女が待ってますからっ!」
ぶっきらぼうに幸村に向かって言うと、さくらはその場を後にした。
さくらが用意してくれていたのは、濃い目のグレーの着物。赤と黒で少し刺繍が入っており、派手すぎず、地味すぎず。ちょうど程よい柄のものだった。
「すまん、さくら」
なんだかんだと用意してくれていたさくらに感謝しながら、急いで着替えた。
「おはよう、さくら」
「…やっぱりきましたね、若」
なにがやっぱりなのか、よくわからない、といった風に首をかしげると、はぁ、とさくらにため息をつかれた。
「お、おい…」
「若、昨夜総大将に言われたこと、覚えてらっしゃいます?」
「うん?あぁ、今日、上杉の屋敷に行くのだろう?」
何をいまさら、といった風に答えると、さくらはじとーっとした目でこっちを見てきた。
「さ・け・を!飲むんです。わかります?お酒です」
「あぁ、だが、それは建前で」
「建前だろうがなんだろうが、今回の目的は、あの女を連れ戻すことでしょう?今から闘います!って雰囲気前面に押し出して、敵地に乗り込む人なんていますか!?総大将がせっかくお膳立てしてくれたのをぶち壊すきですか!?」
さくらに言われて、うっと言葉に詰まり、がっくりとうなだれた。
「しかし、それでは、どのような格好をしていけば」
「普通の格好ですよ。出かけるときの。若だって、出かけるとき、いつも甲冑身に着けてるわけじゃないでしょう?」
さくらにあきれたように言われて、返す言葉もない。
「…落ち込むのは後です。もう、若を皆待っているんですから。着物はそこにだしてあります。それ、着ていってください」
額に手を当てて、はぁ、とため息をつかれる。思わずしゅん、となってしまった。
「あー、もう。さっさと着て、行ってください。あの女が待ってますからっ!」
ぶっきらぼうに幸村に向かって言うと、さくらはその場を後にした。
さくらが用意してくれていたのは、濃い目のグレーの着物。赤と黒で少し刺繍が入っており、派手すぎず、地味すぎず。ちょうど程よい柄のものだった。
「すまん、さくら」
なんだかんだと用意してくれていたさくらに感謝しながら、急いで着替えた。