戦国遊戯
長い廊下を歩いて、玲子の休んでいる部屋へと向かった。柿崎も、その後ろに続く。
部屋の襖を開けると、中では玲子が気持ちよさそうに寝ていた。その顔を見ると、笑いがこみ上げてきた。
「ふふふ。今宵、玲子はわらわのものに、なる」
そっと寝ている玲子の側へと近づいた。時々、眉をぴくりと動かすも、起きる気配はない。
そっと、頬を撫でる。すべすべとした、白く透き通るような肌。整った眉に、薄い桃色をしたきれいな唇。そっと髪に指を通す。さらさらと髪が指から零れ落ちる。
「あぁ、楽しみじゃ」
「う…ん……」
玲子の目が、ぎゅっとなる。薄く目を開けて、こっちをみてきた。
「けん…し…ん?」
ごしごしと目をこすっている。
「おや、玲子。起きたのかえ?」
口を押さえてあくびをしながら、体を起こす玲子。その無邪気な様が可愛く、思わず抱きしめた。玲子の体がびくっとなる。
「ちょ、なんですか!?」
じたばたと暴れる玲子。その様がまた可愛く、ふふっと笑みがこぼれた。
「今宵、お主を取り戻しに、信玄がやってくるようじゃぞ?」
そういうと、玲子の動きが止まった。ふっと玲子の体を離す。
「…嬉しくないのかえ?」
玲子の表情は複雑そうだった。
信玄が迎えに来る、と、言えば、もっと嬉しそうに喜ぶかと思った、が。
「そう…いえ、そんなことは」
玲子は少し俯くと、悔しそうな顔をする。
助けられることが、不満。
いや。
どちらかといえば、足かせになってしまっている、自分が不甲斐なくて悔しい、か。
「案ずることはない。信玄は、わらわと酒を飲むためにくるのじゃ」
部屋の襖を開けると、中では玲子が気持ちよさそうに寝ていた。その顔を見ると、笑いがこみ上げてきた。
「ふふふ。今宵、玲子はわらわのものに、なる」
そっと寝ている玲子の側へと近づいた。時々、眉をぴくりと動かすも、起きる気配はない。
そっと、頬を撫でる。すべすべとした、白く透き通るような肌。整った眉に、薄い桃色をしたきれいな唇。そっと髪に指を通す。さらさらと髪が指から零れ落ちる。
「あぁ、楽しみじゃ」
「う…ん……」
玲子の目が、ぎゅっとなる。薄く目を開けて、こっちをみてきた。
「けん…し…ん?」
ごしごしと目をこすっている。
「おや、玲子。起きたのかえ?」
口を押さえてあくびをしながら、体を起こす玲子。その無邪気な様が可愛く、思わず抱きしめた。玲子の体がびくっとなる。
「ちょ、なんですか!?」
じたばたと暴れる玲子。その様がまた可愛く、ふふっと笑みがこぼれた。
「今宵、お主を取り戻しに、信玄がやってくるようじゃぞ?」
そういうと、玲子の動きが止まった。ふっと玲子の体を離す。
「…嬉しくないのかえ?」
玲子の表情は複雑そうだった。
信玄が迎えに来る、と、言えば、もっと嬉しそうに喜ぶかと思った、が。
「そう…いえ、そんなことは」
玲子は少し俯くと、悔しそうな顔をする。
助けられることが、不満。
いや。
どちらかといえば、足かせになってしまっている、自分が不甲斐なくて悔しい、か。
「案ずることはない。信玄は、わらわと酒を飲むためにくるのじゃ」