戦国遊戯
「なんなの!?そんな得体の知れないのが、沢山いるの!?」

青ざめた顔で、悲鳴にもにた声で叫ぶ玲子。

「ふむ、そのような怪がおるとは、聞いたことがない。詳しく教えてくれ!」

玲子とは反対に、嬉々とした表情の幸村に、小さな殺意が芽生えた。

「それが…」

さくら情報によると、その怪は言葉が通じ、会話をすることができ、御供え物をすると、たまに、未来を予言したりするらしい。

「み、未来を予言!?」

「そ。個人的なものじゃなくって、今年は稔りが悪いから、蓄えをしっかりしろ、とか、どこそこで戦があって、どっちが勝つ、とか」

さくらの言った内容に、少しだけ、ひっかかるものを感じた。

「それって、顔とか、姿を見た人っていないの?」

聞くと、さくらは、さぁ?と首を傾げた。

「未来がわかるとは、まるで玲子のようだな」

ははっと笑う幸村の言葉にはっとした。


まさか。そんな――…


あり得ない。が、行方不明者は玲子以前にも何人かでている。

1人くらい、同じところにいても、不思議はない。

「ね、さくら。それって、どこにいけばあえるの?」

聞くと、さくらは怪訝そうな顔をした。
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