戦国遊戯
「おばぁ!遊びにきた!」


入り口の戸を勢いよくあける。後片付けをしているおばあちゃんと、がつがつとご飯を食べている慶次の姿があった。

「あ、慶次もいたんだ」

「ひでぇな、会えて嬉しい♪くらい言ってくれても、バチはあたらねぇぜ?」

ずずっと味噌汁をすすりながら、不満そうに慶次が言う。玲子は笑って返した。

「玲子ちゃんは、お昼は食べたんな?」

聞かれて、ふるふると、頭を横にふった。

「でも、さっき、みたらし団子食べたからおなかいっぱい」

そう言って、家にあがる。慶次のそばに、つつつっと寄り、ひょいっときゅうりの漬物を食べた。

「慶次にお漬物分けてもらうし」

あっ!と慶次が叫んだ。玲子は気にせず、にっと笑った。おばあちゃんも、楽しそうに笑った。

「あ、そういえばさ、慶次は知ってる?」

さっき、幸村たちと話したことを聞いてみようと思ったのだ。

「はんら?」

「…あー、あのね?尾張のどっかの山に、怪がいるって話」

口をモグモグとさせて、はっきりと喋れない慶次に、あえて、そこには突っ込みはいれずに聞いてみた。
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