戦国遊戯
「慶次は会ったことある?」

聞くと、首を横にふった。

「俺はねぇが、信長は会ったみてぇだな」

思わず目を見開いた。

「えぇっ!?信長!?」

確かに、いると、おかしいわけじゃないけ。が、まさかここで、この名前が出るとは、正直思わなかった。

「ああ。こないだ、聞きに言ったみてぇだぜ?」

天下の信長までもが、聞きに行くほど。


なんて、そんなこと聞いたら、余計に気になっちゃうじゃん!


「ねね!一緒に、どんな人か、見に行ってみない?」

目を輝かせながら聞く玲子。そんな玲子が、少し可愛く見えた。

「いいぜ?これから行ってみるか?」

慶次の答えに、おおはしゃぎする玲子。

「やたー!ありがとー!」

お礼を言うと、慶次は照れくさそうに、いや、と短く答えた。

「しっかし、おめぇ、まるで犬っころだな」

ははは、と笑う慶次に、どこがよ!と反論するが、慶次はにこにこと、笑っているだけだった。
< 158 / 347 >

この作品をシェア

pagetop