戦国遊戯
「慶次か。久しぶりだな」

「はい、しばらく顔も見せず、申し訳ない」

「いや、気にするな。まぁ、お主も気にはしておらぬだろうがな」

ふっと信長が笑った。想像していたような顔ではなかった。思っていたより男前だった。目鼻立ちはすっきり整っているし、こんがりと焼けた肌が、色気をかもしだしている。
残念なのは髭。髭がなければ、きりっとした2枚目なのに。

「で、慶次の横におるのは誰だ?」

呼ばれてはっと我にかえる。慶次が紹介してくれた。

「こいつは玲子。俺の友人です」

言われて頭をさげた。

「なんだ、祝言でもあげるのか?」

「は?」


しゅーげんって…祝言!?


「あげませんけど!?」

ビックリして思わず大声をあげてしまった。

「違うのか?」

きょとん、として、首を傾げる信長。なんで、そんな表情になるのかがわからない。

「違います。こっちに、予言者って呼ばれる人がいるって聞いて、見にきたんです」

答えると信長は目を見開いた。
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