戦国遊戯
少し焼けた健康的な肌。きりっと整った眉にすらっと高い鼻。薄桃色の唇。さらっとおでこにかかる黒くて綺麗な髪。

玲子は、どこか他の女性とは違った雰囲気が、確かにあるような気がする。


しかし…玲子は果たして…


「目が覚めたとき、どう思うかってんでしょ?どうやって目が覚めたかなんて、黙ってりゃわかんないっすよ」

肩を組む形で、幸村にのしかかる。

「それとも、若は玲子のこと、嫌いなんすか?」

「そんなことはない!!」

反射的に否定する。佐助はにんまりと笑った。

「なら問題ない。さっさと試してみてくださいよ」

「………」

じっと玲子を見る。自然と視線は、玲子の唇を見つめていた。

「だ、だめだ!やはりだめだ!玲子にはすでに、好いた相手が居るやもしれん。それなのに、俺が玲子に、その…接吻など!」

「若はしたいと思わないんすか?」

「…!!」

思わず幸村は立ち上がり、部屋をばたばたと駆け出して行った。

「はぁ…若ってほんと、めんどくせ。ま、だからからかいがいがあって面白れーんだけど」

暫く遊ぶネタができたと、ウキウキしながら部屋を出ていった。
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