戦国遊戯
こっち…だよね?


急に呼ぶ声が途絶えた。何となく、声のしていた方に進んでみた。


聞こえなくなっちゃった…


誰かの声かわからない。けど、優しい声。

そして。


さっきまではなんとも思っていなかった辺りの暗闇が、急に怖くなってきた。


私、独りぼっちだ。



嫌だ、怖い。


不安と恐怖が玲子を襲った。

思わず、ぎゅっと目をつむった。



誰か、助けて…



助けて、ゆっきー…



そう思った瞬間、ぱちっと目を開く。



ここはどこだろ。
早く、帰らなくちゃ!!



『玲子』



幸村の声だ。
優しい、幸村の声。


そっと目を閉じ、幸村の声のした方を向く。



あっちだ!



目を開けた瞬間、辺りが一瞬にして、真っ白にひかった。

そして、暖かな温もりに包まれた。
< 188 / 347 >

この作品をシェア

pagetop