戦国遊戯
「やば…!!」

上から黒い大きな塊が落ちてくる。手には鋭そうな刀。狭すぎて身動きがとれない。


殺される!!


そう思ったその時だった。

「っらぁ!」

眼帯の男が対峙していた相手の腹を蹴飛ばし、玲子の腕を引っ張って横に転がるように跳んだ。

間一髪のとろこで、玲子の腕をかすり、刀は地面に突き刺さった。

「はっはっ…っはっ」

死ぬ恐怖と緊張で、玲子の息は乱れ、鼓動は速く、大きく音をたてていた。

「落ちつけ」

男の言葉に、考える前に深呼吸をしていた。

「よし、イイコだ。後少し踏ん張れ」

言われて玲子は、こくんと頷いた。

脇差しを構えようとしたとき、手元に無いことに気づいた。さっき倒れていた所に、どうやら落としてしまったようだ。


まずいなぁ…仕方ない。


脇差しの鞘を腰からほどき、構える。
その行為に、眼帯の男はにっと笑った。
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