戦国遊戯
玲子はそっと額を触った。まだ、政宗のやわらかい唇の感触が残っているような気がした。

「玲子!大丈夫か!?」

幸村に声をかけられてハッと我にかえる。

「だ、大丈夫…」

答えるものの、心ここにあらずといった感じだ。もう片方の手で、心臓の辺りに手をそっと置いてみると、びっくりするぐらいの速さで、ばくばくと音を立てていた。

「なんだったんだろ、あれ」

耳まで真っ赤になった玲子は、政宗たちがいなくなった方をじぃっと見つめた。
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