戦国遊戯
食事を玲子と一緒に食べていると、廊下のほうで、がたがたっと大きな音がした。お箸の動きが止まり、音のほうを見る。

「きゃっ!さ、佐助様!」

侍女がばたばたと集まる。

「佐助!?」

箸をばん、と置き、廊下へ出ると、満身創痍の状態の佐助の姿があった。

「さ、佐助!大丈夫!?」

玲子と幸村は佐助の側へ走り寄った。体のいたるところから血が流れ出ていた。

「若」

はぁはぁ、と、肩で息をしながらも、片ひざをつき、頭を下げる。

「先の襲撃事件の糸を引いているのは、どうやら織田の手の者のようです」

「なに!?」

「うっ…!」

佐助がその場に倒れこむ。

「佐助、しっかりしろ、佐助!おい、誰か医者を!!」


数十分後に駆けつけた医者に佐助の容態を見せる。傷は多く、深いものもあるが、命に別状はないとのことで、玲子と幸村は胸をなでおろした。

「ね、ゆっきー。さっき佐助が言ってた意味って」

玲子が幸村に問いかけると、幸村は難しそうな顔をして答えた。

「あ?あぁ、襲撃事件の首謀者を佐助たちに探らせていたんだ」

「襲撃事件?」

「玲子が襲われたあの事件だ。今日、玲子を探しているときに、たまたま似たようなのが森から引き上げていくのを発見したからな。佐助とさくらに後をつけさせた」

幸村が頭をかきながら答える。玲子は何でそんなことを、と、不思議そうな表情をする。
< 200 / 347 >

この作品をシェア

pagetop