戦国遊戯
『多分、よ?あくまで、推論になっちゃうんだけどさ』
希美が言いづらそうに話し始めた。
『田中君がもしかして、裏で糸を引いてるんじゃないかな?』
「…やっぱり、そう、思う?」
『やっぱりって…じゃ、れいちゃんも、そう思うの?』
「うん。確信があるわけじゃないんだけど」
今までの出来事を反芻する。どうしても、田中君のあの様子や、田中君に出会ってから、急に襲撃されたりと、いろんなことがありすぎて、どうしても、考えがそっちに膨らんでしまう。
「田中君、信長に使えるみたいだったのよ。で、考えてみると、誰が一番厄介って、自分のことを知っている人間や、歴史を覚えている人間が、一番厄介だと思うのよ」
はぁ、とため息をつきながら話した。
『だろうね。多分、田中君、信長を使って、天下統一を成し遂げようとしてるんじゃないかな』
「ってことは、歴史を捻じ曲げるつもり…?」
『どうだろう。多分、信長に天下統一を進めさせて、後一歩ってところで、自分がうまく成り代わることができれば…』
「田中くんが天下統一できるってわけだ!」
うまくまとまらなかった考えが、1つの結論を導きだそうとしていた。
『となると、当面、織田軍には手を出さない。変わりに周りの武将を倒しにかかる可能性があると思うのよね』
「たとえば?」
『豊臣・徳川。でも、信長が生きてる間は、どっちも味方だからすぐってことはないと思う。となると、武田・上杉・伊達・北条。この辺りじゃないかな』
うーん、と唸る玲子。
「北の方面を先に攻めてくるのかな?」
玲子に聞かれて、希美は短く間を置いて答えた。
『というより、強豪が固まってるのが北だから、っていうのと、後は冬』
「冬?」
『そう、冬。その時代って、冬ってかなり厳しいでしょう?攻められる時期っていうのが限られてくるから、一気に北を叩いて、自分の支配下に置いてしまえば、夏に別の領土を攻めるときに、主要人物を借り出して攻めいって、冬は季節柄、自分の領土に責めることはできなくなるし、他領土の人達も、わざわざ厳しい冬に攻めてはこないだろうからさ』
希美が言いづらそうに話し始めた。
『田中君がもしかして、裏で糸を引いてるんじゃないかな?』
「…やっぱり、そう、思う?」
『やっぱりって…じゃ、れいちゃんも、そう思うの?』
「うん。確信があるわけじゃないんだけど」
今までの出来事を反芻する。どうしても、田中君のあの様子や、田中君に出会ってから、急に襲撃されたりと、いろんなことがありすぎて、どうしても、考えがそっちに膨らんでしまう。
「田中君、信長に使えるみたいだったのよ。で、考えてみると、誰が一番厄介って、自分のことを知っている人間や、歴史を覚えている人間が、一番厄介だと思うのよ」
はぁ、とため息をつきながら話した。
『だろうね。多分、田中君、信長を使って、天下統一を成し遂げようとしてるんじゃないかな』
「ってことは、歴史を捻じ曲げるつもり…?」
『どうだろう。多分、信長に天下統一を進めさせて、後一歩ってところで、自分がうまく成り代わることができれば…』
「田中くんが天下統一できるってわけだ!」
うまくまとまらなかった考えが、1つの結論を導きだそうとしていた。
『となると、当面、織田軍には手を出さない。変わりに周りの武将を倒しにかかる可能性があると思うのよね』
「たとえば?」
『豊臣・徳川。でも、信長が生きてる間は、どっちも味方だからすぐってことはないと思う。となると、武田・上杉・伊達・北条。この辺りじゃないかな』
うーん、と唸る玲子。
「北の方面を先に攻めてくるのかな?」
玲子に聞かれて、希美は短く間を置いて答えた。
『というより、強豪が固まってるのが北だから、っていうのと、後は冬』
「冬?」
『そう、冬。その時代って、冬ってかなり厳しいでしょう?攻められる時期っていうのが限られてくるから、一気に北を叩いて、自分の支配下に置いてしまえば、夏に別の領土を攻めるときに、主要人物を借り出して攻めいって、冬は季節柄、自分の領土に責めることはできなくなるし、他領土の人達も、わざわざ厳しい冬に攻めてはこないだろうからさ』