戦国遊戯

はまらないピース

尾張に向かうため、戻ってすぐだったが、玲子は政宗と一緒に屋敷を出た。

が、奥州から甲斐まで、馬を休ませることなく走らせていたことと、今がすでに深夜ということもあり、夜が明けるまで、一旦休むことにした。

「あれだね、屋敷で朝まで休んでいった方が良かったかもね」

燃えそうな木や枯葉を集めながら、玲子がいうと、政宗は首を横にふった。

「敵に当たる俺が、泊まるってのは無理だろ」

そう言うと、玲子はうーん、と唸った。

「なんで、この時代の人たちって、戦ってばっかりなの?」

玲子が政宗に聞くと、政宗は笑って答えた。

「大切なもんを守るためだろ」

政宗は馴れた手つきで、火をおこした。辺りが明るくなり、暖かくなってきた。

「でも、戦なんてしてたら、大切な人が死んじゃうかもしれないんだよ?」

玲子が聞くと、政宗はそうだな、と頷いた。

「だが、戦わねーと、大切なもんを壊されたり、奪われたりする。俺は、大切なもんが、安心して暮らせるよう、天下統一を目指してんだ」

政宗に言われて、玲子はその顔をじっと見つめた。
真剣な表情。

ただ、自分の私利私欲の為に、戦っているんではないんだと、改めて実感した。

「すごいね、政宗さんは」

玲子がぽそっと呟くと、政宗はぐいっと、玲子の頭を自分の方へと寄せてきた。

「政宗でいい」

政宗の甘い声に、玲子は心臓が高鳴った。
この時代にきて、政宗の大胆な行動に、いつもどきどきさせられる。


私、政宗さんのこと、好き、なのかな…


政宗の行動に、いつもどきどきする。


でも、誰だって、あんなことされたらどきどきするって。


思い出して顔が真っ赤になる。


しかもしかも!顔がカッコいいんだもん!これでときめくなって方が無理じゃない!?


玲子の顔が、耳まで真っ赤になった。
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