戦国遊戯
急いで宿に戻ると、女将が慌てて駆け寄ってきた。

「どうかしましたか?」

幸村が尋ねると、女将はおろおろしながら答えた。

「それがね…お客さんのお連れさんが、お城の使いとかいう人に連れてかれっちまってね」

女将の言葉に眉を顰める。

「あぁ、そうだ。そのときに、お城の使いって人が、連れがいたらすぐに来るようにって言ってたんだよ。連れの女の子は、1人できたんだって言ってたけど…一体何があったんだい?」

幸村は女将の言葉を聞いて、ぐっとこぶしを握り締めた。

「連れがいたら、すぐに来るようにって、そう言ってたんですね?」

幸村が聞くと、ええ、と女将は頷いた。

「すみません、女将さん。馬を預かっておいて頂いてもかまいませんか?」

幸村が頭を下げると、女将はいいですよ、と、二つ返事で了承してくれた。

「ありがとうございます!」

そう言って、幸村は宿を出た。


なぜ、さくらが捕まったのだ。一体、どこでばれていたというんだ!



幸村は急いで城へと向かった。
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