戦国遊戯
そして、かかること約1時間。

慶次と政宗は、すっかりと見違えた玲子に、思わず見惚れていた。

「どーぉ?慶ちゃん」

女性が自慢げに慶次に玲子を紹介する。玲子は、化粧で顔色がわからないようにはなっているが、顔色はすこぶる悪い。

「すごいな、玲子…」

政宗の言葉に、玲子はフッと笑って答えた。

「内臓、飛び出そう」

歩くたびに、なぜか帯が締まっているような気がしてならなかった。女性たちは玲子の言葉に大笑いしていた。

「慣れよ、そんなもの」

そう言うと、慶次が玲子に手を差し伸べてきた。

「それでは参ろうか、玲子」

その慶次の言葉に、玲子は真剣な眼差しで、はい、と頷き、慶次の手を取った。

「玲子は俺が守ってやる」

そう言って、玲子の制服を風呂敷にたたんで詰め、それを持って、政宗は慶次と玲子の後についていった。


城門前につく。玲子は少し、緊張した面持ちだ。

「さて、心の準備はよいか?」

慶次に聞かれて、政宗も玲子もこくんと頷いた。それをみた慶次も頷いて、門番の所へと向かった。

「よう、今日は何事もなかったかい?」

慶次が聞くと、一人が暇そうに頷いた。

「なぁんにもありゃしませんよ。こんなご時世ですけどね」

はぁ、とため息をつくと、玲子の存在に気づき、不思議そうに慶次に尋ねた。

「ところで慶次さん。後ろの女性は誰なんです?」

門番がどきどきしながら聞くと、慶次は照れながら答えた。

「あぁ、俺の嫁だよ」

慶次のその言葉に、門番は硬直した。

「信長様に、そのための謁見で今日はきたんだ。入っていいかい?」

慶次に聞かれて、門番は大きく首を縦にふった。

「どうぞどうぞ!あの、お式の時は教えてくださいね!
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