戦国遊戯
「学校では花嶋が邪魔をする。こっちの世界にきてみりゃ、今度は青柳さん、君が邪魔をするってか」

ぶつぶつと学が呟く。玲子はギリッと学を睨みつける。

「別に、邪魔なんてしてないでしょ!ってか、ゆっきーとさくらを放してよ!」

玲子の言葉に、学はばん!と牢を叩いた。

「あぁ!?邪魔してねーだと!?お前の存在自体が邪魔なんだよ!」

学と玲子のにらみ合いが続く。

「俺はね、ここで神になるんだよ」

「はぁ!?」

学の言葉に、玲子は顔をしかめる。

「天下を統一するのはこの俺だ!その邪魔をする奴は…誰だろうと許さない!」

学が持っている鉄の棒を、玲子めがけて振り下ろしてきた。玲子はそれをひょいっとかわす。

「おらぁ!」

学がぶんぶんと棒を振り回してくる。


まずは動きを止めないと!


玲子は腰に手をやり、脇差を抜き取り、学の振り下ろしてきた棒を受け止めた。
がきぃん!と大きな金属音が当たりに響く。
学の攻撃を止めた瞬間、玲子は学のみぞおちに肘鉄を食らわせた。

「ぐぇ!」

学が棒を放し、その場に崩れ落ちる。玲子はそのまま、学の首を絞めて落とした。

「田中くんの身勝手のせいで、たくさんの人が困ってるんだからね!?」

はぁはぁ、と、肩で息をしながら、学の腰から見えている鍵を取り外し、急いで幸村のところへと向かった。

「玲子、大丈夫か?」

幸村の声に、玲子は短く、大丈夫、とだけ言った。
ガチャンと音を立てて、鍵が開いた。

「開いた!」

玲子は牢の扉を開けて、幸村に駆け寄った。
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