戦国遊戯
「図星を指されて、腹でも立ったか?」

学が高笑いを浮かべる。玲子の肩がふるふると震えた。

「みんな、私なんかに力を貸してくれた。なんの見返りもなくね」

ギリッと歯をくいしばる。

「なんにも知らないくせに、憶測なんかでみんなを貶めるようなこと言わないでよ!!」

がん!と格子を殴り付ける。拳からは血がじわっとにじみ出た。
きっと、格子がなければ、学に殴りかかっていただろう。
玲子は、今まで見せたことがない、鬼のような形相で、学を睨み付けた。

「何が天下統一よ、何が神よ!そんな下らないことで、皆を殺させなんてしないんだから!!」

玲子の言葉に、学が逆上した。

「ふざけんな!!このゲームの勝者は俺なんだ!!お前なんかに負けてたまるかよ!!」

玲子は冷たい視線を、学に向ける。

「あんたがどれだけ手を出してこようと、必ず防いでみせる」

吐き捨てるように、学に言うと、幸村に肩を貸して、地下牢を後にした。
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