戦国遊戯
「で、どうしてまた、戻ってきているんだ？」

玲子が髪を拭いていると、藤吉郎が不思議そうな顔で聞いてきた。

「どうしてって…ゆっきー達を助けることはできたけど、まだ田中くんのことが残ってるから」

玲子が答えると、藤吉郎は少しだけ、厳しい表情になった。

「玲子。お主、あの予言者に何を言ったんだ？」

藤吉郎に聞かれて、玲子は首をかしげた。

「なにって…別に…」

何も言っていないわけでもなければ、思い返してみれば、結構な啖呵を切ったりもしている。思わず言葉に詰まった。

「先日の出来事から、殿はずっと、あの予言者と部屋にこもったままなのだ」

「え？」

玲子には理由がわからず、思わず藤吉郎に聞き返した。藤吉郎も、眉をひそめたままだ。

「部屋にいるのは、殿の他に、濃姫、蘭丸」

聞いたことのある名前に、玲子はこくりと頷く。

そして。
藤吉郎は、最後の一人の名前を告げた。


「あの予言者の男だ」
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