戦国遊戯
「中庭で、一体何があるってんだ?」

慶次が頭をかきながら呟く。幸村は何も言わず、ただ黙って座った。

「ま、玲子がらみだろうけどな」

藤吉郎の言葉に、政宗はたぶんな、と、呟いた。

「とにかく、玲子を無事に助け出さねば」

そう言うと、幸村はすっと立ち上がった。

「どうするつもりだ?」
その場を去ろうとする幸村に、慶次が聞いた。

「助けに行く」

呟く様に言うと、政宗が、待て、と、幸村を止めた。

「・・・なんだ?」

眉をひそめる幸村に、政宗は硬い決意の表情を見せた。

「俺も行く」

ある程度予想のついたことだった。幸村は何も言わず、強く、政宗の目を見つめた。政宗も、じっと幸村の目を強く見つめ、頷いた。

「おいおい、おふたりさん。お前さんたちだけでいくつもりか?」

言われて2人は、ふっと慶次達を見た。

「俺も行くぜ」

慶次の言葉に、隣で藤吉郎が頷いた。

4人は拳を軽く握ると、コツンと合わせた。
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