戦国遊戯
どれくらいの時間がたっただろうか。丸1日たったくらいにも、全く時間がたっていないようにも感じられた。
ふと、カチャカチャという金属音が聞こえてきた。自分の枷の音ではない。ふと玲子が顔をあげると、出入り口の扉が開き、数人の兵士の姿があった。
…知らない人ばっかり。
藤吉郎はもちろん、学の姿もない。眉をひそめて、兵達の姿をみる。少しばかり、同情の色が伺い見えた。
「今から移動します」
その言葉に、玲子は何も答えず、ただじっと、兵の方を見ていた。
「…動かないでくださいね」
少しおどおどした様子で、玲子の手枷を外した。このまま、暴れて逃げてしまおうかとも思ったが、そんなことをすれば、ここにいる兵達が罰を受けるはめになってしまう。
玲子はおとなしく、兵の様子を見つめた。
奇妙な空気が場を包んだ。堪らなくなったのか、兵の1人が玲子に聞いてきた。
「…逃げ、ないんですか?」
聞かれて玲子は目を丸くした。
「お、おい!」
質問の内容にビックリして、別の兵が慌てて止めた。
「凄腕だって聞いたんだ。なら、俺達を殺して逃げるくらい、わけないんじゃないか?」
不安でたまらないといった表情を向けられて、玲子は口を開いた。
「逃げたら、あなた達に迷惑をかけてしまうから」
玲子はそういうと、少しだけ、切なそうな表情を浮かべていた。
ふと、カチャカチャという金属音が聞こえてきた。自分の枷の音ではない。ふと玲子が顔をあげると、出入り口の扉が開き、数人の兵士の姿があった。
…知らない人ばっかり。
藤吉郎はもちろん、学の姿もない。眉をひそめて、兵達の姿をみる。少しばかり、同情の色が伺い見えた。
「今から移動します」
その言葉に、玲子は何も答えず、ただじっと、兵の方を見ていた。
「…動かないでくださいね」
少しおどおどした様子で、玲子の手枷を外した。このまま、暴れて逃げてしまおうかとも思ったが、そんなことをすれば、ここにいる兵達が罰を受けるはめになってしまう。
玲子はおとなしく、兵の様子を見つめた。
奇妙な空気が場を包んだ。堪らなくなったのか、兵の1人が玲子に聞いてきた。
「…逃げ、ないんですか?」
聞かれて玲子は目を丸くした。
「お、おい!」
質問の内容にビックリして、別の兵が慌てて止めた。
「凄腕だって聞いたんだ。なら、俺達を殺して逃げるくらい、わけないんじゃないか?」
不安でたまらないといった表情を向けられて、玲子は口を開いた。
「逃げたら、あなた達に迷惑をかけてしまうから」
玲子はそういうと、少しだけ、切なそうな表情を浮かべていた。