戦国遊戯
そんな玲子の神経を逆撫でするかのように、学は笑った。


これ以上こいつの顔見てたら、ホントに気が狂いそうだ。


玲子はふいっと目を背けた。と、そんな2人のやり取りを楽しげに見ていた信長と、目があった。玲子は思わず、信長も睨み付けた。

「ふふっ…余のことを、そんな風に睨み付ける女子は久しぶりだな」

信長は目を細めながら笑った。やはり楽しそうだ。

その時、信長の視線が、玲子のもとから離れた。何気なく、視線の先を追いかける。

「…!!なんで!!」

視線の先には、藤吉郎、慶次、政宗の姿があった。

「玲子を返してもらおうか」

慶次の言葉に、信長は首を傾げながら答える。

「玲子?おかしいな、体調を崩したと、連れ帰ったのはお主ではなかったか?」

信長の言葉に、慶次は問題なさげに答えた。

「忘れものを取りに戻ったんだ。体調も落ち着いたというから、一緒に連れてきたんだよ」

にかっと笑う慶次に、学は舌打ちをしながら答えた。

「全く、よく舌が回る。まぁ、彼女は今、信長様への反逆の罪で捕縛されている」

学の言葉に、3人はぐっと言葉に詰まった。
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