戦国遊戯
医者と助手が到着して、玲子は政宗に、幸村の側から引き離された。

どんどん考えがマイナスの方向へと向かっていく。



だめ。



幸村の方を向いているが、焦点がうまく合わない。



だめだよ、ゆっきー。




まるで人形のように動かなくなった玲子を、政宗は悔しそうにぎゅっと抱きしめた。





死なないで。







「お前を置いて、あいつが死ぬはずがない」

政宗はそう呟くと、幸村の方をみつめた。処置をしている医者の表情はずっと険しいままだった。

「あいつならきっと、大丈夫だ」

慶次も玲子の頭をそっと撫でた。



何度も何度も。
玲子に大丈夫だと2人は言い聞かせた。
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