戦国遊戯
「火を」
信長は短く言葉を発し、命じた。兵士達も、それ以上聞かなくてもわかっているかのように、薪を持ってきては火を興し、明かりを絶やさないようにした。
どれだけの時間が経ったかわからなかった。
玲子にとっては、耐え難い、苦痛の時間だった。
ふっと、医者の手が止まった。側に立っていた助手も、肩をふっとおろした。
あたりに緊張が走る。
「ゆっきー…は…」
恐る恐る玲子が聞く。医者は額を拭いながら、息をふぅっとつくと、真剣な表情で答えた。
「とりあえず、一命は取り留めたはずだ」
その言葉に、玲子は思わず涙ぐむ。政宗も、ちっと舌打ちするものの、その表情には安堵の色が浮かんでいた。慶次は玲子の頭をぐしゃぐしゃっと撫で回した。
「だけど、意識が戻るかどうかは、彼次第だ」
そう言って、医者は幸村のほうをチラッと見た。玲子はこくんと頷いた。
「大丈夫だ。あいつは絶対に目を覚ますよ」
そう言ったのは政宗だった。玲子は驚いた表情を向ける。
「玲子を置いて、先に行くような奴じゃぁねぇよ」
にこっと笑って、慶次が続いた。
「助かると良いな」
藤吉郎が玲子に向かって微笑んでくる。零れ落ちそうになった涙を、ぐいっと拭うと、玲子は飛び切りの笑顔で頷いた。
信長は短く言葉を発し、命じた。兵士達も、それ以上聞かなくてもわかっているかのように、薪を持ってきては火を興し、明かりを絶やさないようにした。
どれだけの時間が経ったかわからなかった。
玲子にとっては、耐え難い、苦痛の時間だった。
ふっと、医者の手が止まった。側に立っていた助手も、肩をふっとおろした。
あたりに緊張が走る。
「ゆっきー…は…」
恐る恐る玲子が聞く。医者は額を拭いながら、息をふぅっとつくと、真剣な表情で答えた。
「とりあえず、一命は取り留めたはずだ」
その言葉に、玲子は思わず涙ぐむ。政宗も、ちっと舌打ちするものの、その表情には安堵の色が浮かんでいた。慶次は玲子の頭をぐしゃぐしゃっと撫で回した。
「だけど、意識が戻るかどうかは、彼次第だ」
そう言って、医者は幸村のほうをチラッと見た。玲子はこくんと頷いた。
「大丈夫だ。あいつは絶対に目を覚ますよ」
そう言ったのは政宗だった。玲子は驚いた表情を向ける。
「玲子を置いて、先に行くような奴じゃぁねぇよ」
にこっと笑って、慶次が続いた。
「助かると良いな」
藤吉郎が玲子に向かって微笑んでくる。零れ落ちそうになった涙を、ぐいっと拭うと、玲子は飛び切りの笑顔で頷いた。